とある昼下がり、私はひとり麻布に居た。
昼ご飯を食べてお茶を飲んでいた。
後ろの席から女の声がする。
『えーーーーーカワイイーーーーー!』
そう、あんたの言う通り日本はkawaiiの国だ。
代々木へ出て、それから原宿へ行こう。
いつもは表参道から裏道を通りがちだがあえて竹下通りに入った。
カオスな通りでブルージーな気持ちを誤魔化したかった。
小学生だった私がファッションを意識して
友達と初めて買い物に来たのは原宿だった。
それからは当然、青春の街であった!
文化屋雑貨店が閉店だなんて、考えもしなかった。
えーーーー文化屋無かったら原宿じゃ無くなっちゃうじゃん、と
そんな風にスカッと思ってしまうくらいな場所だった。
商品の薄くなった店内で、私の思い出も無くなってしまうような気分にはなったが
竹下通りを通ったことが功を成し、寂しさともきちんと向かい合えた。
大人の居ない『私たちだけ』のカルチャーの始まりを
街でめいっぱい楽しんでる小学生、中学生のキッズたちに励まされたのだ。
きっと彼らが居る限りこの街は『原宿』だ。
ひとりじゃ何にも出来ないようなカッコ悪い大人になりたくなければ、
直ちにママとの約束を破って電車に飛び乗ろう。
そして友達とお揃いのネックレスを選び、クレープをかじればいい。
いろんな店を思い、
『いつしか急に無くなってしまうかもしれないな』と
キャットストリートをノロノロと歩いた。
書を捨てよ町へ出よう。
出来る限りおもしろがって転がっていよう。
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